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退職金は会社で、長期運用する

2023.12.15更新

11 月の終わりに今年も京都に行ってきました。
驚いたのはホテルの価格です。京都のホテルは軒並み、コロナ前の 2~3 倍の室料になっており、それでも海外旅行者が殺到して稼働率は 75% を超えるというのですから、円安で日本がいかにリーズナブルかということでしょう。
一方先日、中洲のバーで事情通のマスターと話していた所、「儲かっているのは有名なラーメン屋さんくらいで、いわゆる中洲は不景気そのものだよ」との事でした。観光客が SNS の撮影目当てに歩いているけど、お店の中には入っていかないのだそうです。
コロナ騒ぎが終わっても全てがうまくいくというわけではないと、改めて思った次第です。

 
「退職金は会社で、長期運用する」

 
増税メガネと言われた日本のトップ。
インボイスや電子帳簿保存法など、本当にどうしようないものを導入してくれて、税理士としては迷惑そのものでした。しかし、NISA の大幅拡充だけは評価に値すると思っています。
デフレを通り越して、これだけインフレが常態となってくると、現預金、それも円だけで資産を持っている事はあまり得策とは言えません。ある程度資金を投資に回すことがリスクヘッジになる時代になってきたと言えます。

翻って経営者にとって、退職金をいくら取るか?はとても大きな問題です。
私は以前から、「役員給与は税や社会保険のコストが高いので、退職後の資金は会社で貯めた方が効率的」「退職金は生命保険などで簿外で積み立てる方が何かと良い」と提案してきました。税コストのこともありますし、例えば退職金を借入で賄うと、返する次の世代(要するにご子息)と喧嘩になることが非常に多いというのが理由の1つです。
簿外で貯めておけば、もともとそのお金は運転資金ではありませんから、「資金が流出する!」と、揉める可能性は極めて低いです。そのこと自体は何も変わっていません。

以前と少し変わったのは、退職金積立の主力である生命保険において、節税よりも運用という側面が強くなったことです。ある外資系の生命保険のトップセールスマンと話していたところ、この数年は経営者にドル建ての変額保険がとにかく売れているそうです。今後円高になる可能性もありますが、保障もしながらドル資産を増やせるので、ある意味リスクヘッジになると考える人が増えたと言えます。
とはいえ、お金を貯めるには 10 年単位の時間がかかりますし、生命保険に加入する場合は「健康である」という条件も必要です。思い立ったが吉日で始めるとよろしいかと思います。もちろん、生命保険ではなくインデックス系の投資信託など比較的安定した投資商品、政府系の小規模共済を活用しても良いと思います。

 
「良い会社はやめられる会社」

 
私の父(すでに他界)は、身体が弱かった反面、とにかく経営が上手かったと今更ながら思います。
その父が「良い会社とは、いつでもやめられる会社の事さ」とよく言ってました。なので不吉と叱られそうですが、当時はお客様の決算報告時に、「今、会社を閉じたらいくら残るか」を毎年計算して報告していました。
理想は①流動資産(現金や売掛金)で全ての借入を返済できること。
その次は②固定資産を売れば借入を返済できること。
要するに、資産におけるキャッシュの比率を上げておきなさいということです。業種にもよりますが、①の会社は意外と少ないのが実情です。
リーマンショック、コロナパンデミックと2つの大きな経営リスクを経験しましたが、結局生き残るのはキャッシュリッチな会社です。今後も様々な〇〇ショックが来ると思いますが、頼りになるのは現預金、あるいはすぐに換金可能な資産である事に変わりはないと思います。

さて、本年も皆様には大変お世話になり、グループを代表して心から感謝申し上げます。来年以降、コロナ騒ぎがいよいよ終わり、逆に政府からの補助金・助成金は縮小し、コロナ時の借入金を本格的に返済してゆく局面になっていくと思いますが、その分さらに気を引き締めて業務にあたる所存です。

この冬はインフルエンザに特に注意が必要との事。皆様くれぐれもご自愛いただき、良い年をお迎えください。

社風は教育と習育で作る

2023.12.01更新

スタッフ教育で悩んでいる方は、とっても多いと思います。

先日、19年連続で増収増益を果たした元トリンプジャパンの吉越浩一郎さんとお話しする機会がありました。吉越氏は、
「スタッフ教育には、教育と習育の2段階がある」
とおっしゃっていました。マニュアルに沿って基本的なことを教えるのが教育。しかし、そこから先は自ら習う姿勢を植え付けるのがとても大事だということです。

結婚式で有名なアイ・ケイ・ケイの金子 和斗志社長は、有望な社員は自分のカバン持ちにさせ、自らの考え方や仕事の仕方を目の前で見せるそうです。そこで習った方が幹部になっているのだとか。

私もこの手法はよく使っていまして、2〜3年目のある程度育ったスタッフと一緒にお客様を訪問し、目の前で仕事を見せています。行き帰りの車内では考え方について議論します。

すると、1年も経つとどこかしら私に似てきます。漫才の師匠と弟子のような感じです。こういったスタッフが記憶する限り20人ほどおりまして、彼らが社風を作っているのだと感じます。

全てをマニュアルに書き出す事は可能です。しかし、ハンバーガーショップで「床に落ちたパテは廃棄します」などと書いていたらキリがありません。

会社にとって大事にしたいことは、経営トップや幹部クラスが直接教え、考えさせるのが1番手っ取り早いと思う次第です。