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人口は嘘をつかない

2023.10.16更新

先日、サザンオールスターズの 45 周年ライブに茅ヶ崎まで行ってきました。私はかろうじてデビューの時を覚えていまして、「裸で歌ってドリフみたいだな」・・・と。

実際、桑田氏はいかりや長介氏から直々にドリフに誘われたことがあるそうです。いとしのエリーなど、懐かしい曲が流れると、色々な思いが交錯しますね。年と共に涙もろくなっているのも実感しました。



「人口は嘘をつかない」

経営の神様と言っても良いでしょう、ピーター・F・ドラッカー博士の言葉です。博士は「自分は予言者ではない」と常々語っていました。さらには「私は経済学者でもない」と言っていたようですが、博士の予言めいた予測は恐ろしいほどの確度で当たっていたのは周知の事実と思います。

バブルが弾けた直後に「日本は工業等の面で優れた技術を持っているが、情報と金融の分野に関してはアメリカに 10 年劣る」と語っていたそうです。
具体的に言えば、SONY のウォークマンの性能はレコーダーとしては素晴らしいが、iPod、さらには iPhone のような配信ビジネスによるイノベーションは起こせなかったわけです。博士が常々言う「顧客の創造」に関して、ことごとくアメリカの後塵を拝しているのは今も変わらないですね。

博士はその国の未来や発展を考える際、人口を重要なファクターに置いていました。それは、「経済指標は嘘が満ちているが、人口は嘘をつかない」からだそうです。
どんなに優秀な研究者でも土台となるデータが不正確では話になりませんからね。その人口問題、日本は戦争によって大きく人口構成が歪められ、団塊世代と団塊ジュニア世代というたった6~7世代に人口の15%が集中しており、様々なブームやトレンドを作り出してきました。この世代のニーズやウォンツはビジネスに直結しますから、常にキャッチアップされては?と思います。

翻って、国の経済的なピークは40歳の人口がピークになる時と深い相関性があるそうです。日本ではバブル景気とアベノミクス初期がこれに当たりますから既にピークアウトしています・・・アメリカやインドなどはこれからピークが訪れますが、逆に韓国は1を下回る世界最低水準の出生率で、日本よりさらに深刻な人口減少に見舞われるのが確定的ですから、今後投資やビジネスを行う際の参考になればと思います。
 
経営は未来を予測することで失敗する確率が下がります。足元ばかり見ているといつの間にか歩く方向がずれているのと同じです。
自分の周囲の環境は将来どうなるのか?どうなるのが1 番怖いか?を常々考えておくことが大事かなと思います。



「困ったことは強みでもある」

春先に、「幸せは不幸の顔をしてやってくる」と書きました。この人口問題ですら日本にとっては大きなチャンスなのだと博士は語ったそうです。つまり、この問題をいかに対処していくか?はまさにノウハウの構築そのものであり、他国に輸出することでビジネスになるというわけです。
経営をしていると、良いことと悪いことは本当に交互にやってきますが、ピンチはチャンス、不幸は幸せに繋がっていると思えば少しは気が楽になります。

博士に大きな影響を受けた経営コンサルタントの小宮一慶氏は、良い会社とは、「顧客に喜ばれる商品を提供し、社会貢献している」「働く人が幸せである」「高収益である」と実にシンプルに定義しています。シンプルなのですが、高収益というのは相当難しいというのが私の所感です。売上は根性でなんとかなることも多いですが、利益を残すには知恵が必要です。その利益がなければ働く人に経済的な幸せを提供できません。これらは相互に結びついて螺旋のようになっているのだと思います。


未来を予測しつつ、残された期間で周囲をいかに幸せにできるか?サザンオールスターズにたくさんの感動をもらって、そんな事を考えながら九州へ帰りました。