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退職金の税制改正に注目!

2023.09.15更新

先日、母が大腿骨を折り、緊急手術しました。 理由はダンス教室(マツケンサンバ?)でコケたとのことで・・・ 老々?介護を覚悟しましたが、幸い一か月ほどで以前の生活に戻ることができました。 今は骨がつくのを待たずに、折れた部分を人工骨に変えて、 手術の翌日から歩行のリハビリをするそうです。

医学の進歩はすごいですね。
と同時に、我々団塊ジュニアが高齢者になる2040年問題は 日本が味わったことのない深刻な問題なのだと改めて思いました。 なにせ、800万人が税金やサービスを提供する側から、受け取る側へ移行するのですから・・。

退職金の税制改正に注目

先日、退職金の税金に関するニュースが流れました。 退職金は日本の税制でも最優遇されています。 退職金には手厚い控除がありまして、
・勤務期間20年以下・・・年40万円 合計800万円
・勤務期間20年超・・・年70万円

仮に30年間同一企業で働けば、1500万円までは1円も税金がかかりません。 もちろん、支給する会社側は全額経費です。

今回報道されたのは、この70万円の部分を40万円に統一するというものでした。
理由は「労働の流動性を妨げている」とのことですが、退職金控除のために 勤務し続ける人はいないので、政府の「大嘘」であることは間違いないです。

さて、この退職金ですが、実はもっと大きなメリットがあります。 それは、どれだけもらっても、その1/2にしか課税されないということです。 つまり、1億円もらっても、10億円もらっても、税金がかかるのは半分だけということになっています。 これは事業承継対策の切り札的に使われていますし、 老後の資金は「税率の高い個人で貯めずに法人で貯める」という手法の源にもなっています。

私は岸田総理の「新しい資本主義」というのは、要するに「格差是正」の言い換えだと思っています。 就任早々に株式の譲渡益課税(20%)を強化することを表明していましたが、 今回の退職金控除の是正は、富裕層に多大なメリットがある1/2課税を改正するための布石なのでは?と疑っています。
例えば、「退職金1億円以上の部分について、1/2課税をとりやめる」なんて改正は、 いつあってもおかしくありません。 なにせ、一番の人口ボリュームゾーンの団塊ジュニアがあと10年で続々退職するのです。 大きな魚群が眼の前にいるのにみすみす見逃すはずはないと思っています。

複数人で、複数のタイミングで退職金を受け取る

ではどうすればよいか?ということですが、
1. 退職金を受け取る人を増やす
2. 複数の会社から分散して受け取る
3. 退職金を受け取るタイミングをずらす
   
を予防策として推奨しています。

例えば御社がメーカーで夫婦ともに役員でしたら、製造会社と販社に会社を分割します。 そして、例えば販社の社長に奥様が赴任する際には、元のメーカーから退職金が支給可能になります。その後、販社から退職する際は、再度退職金を受け取ることが可能になります。 同様のことを社長にも行うと、夫婦で計4回退職金を受給できます。

ちなみに、医療法人なら MS 法人を検討すればよいです。 さらにいうと、小規模共済や確定拠出年金などを組み合わせて、 退職金のメリットをさらに上乗せすることも可能です。 税法の規定で、最初の退職金受給から5年超経過しておく必要はありますが、 現時点でもできる予防法と思っております。もちろん、その上を行くような改正(改悪?)されたらアウトですが。

美味すぎる話は必ずなくなる

先日、行き過ぎた相続税対策に繋がっているとのことで、タワーマンションの相続税評価が大幅に改正されました。 アメリカ不動産、アパートの消費税還付、足場リース・・・美味しい節税は 必ずといってよい程どこかで是正が入ります。 ある程度メスが入ることを見込んで、対策を取っておくことが大事ではないかな? と思う次第です。

今回は久しぶりに税理士っぽいことを書きました。
よく疑われますが、普段は税理士として普通に働いておりますので、 税務のご相談がございましたら、いつでもお声掛けください!

会社を売る可能性があるなら、身綺麗にしておく

2023.09.01更新

20年前と違って、中小企業も売れる時代になりました。
が、巷で喧伝されるような高値での取引は稀で、役員報酬や営業利益の4〜5年分を先取りするくらいが相場でしょうか。
むしろ、デューデリ(企業調査)の結果、思っていたよりも安い値段でしか売れない…というパターンをよくみます。

企業の価値はおおざっぱに言えば
1 会社の時価純資産
2 未来に安定して稼げるであろう利益

で決まります。

このうち、1で減算されるケースがよくあります。
・建物の老朽化や補修費用
・土地の価値下落
・貸付金など回収可能性の低い資産
・粉飾により計上された架空資産
・未払いの残業代

などは確実に減算される項目です。

特に社長への長期の貸付金や粉飾経理はその企業というか、経営者への印象を悪くし、結果として成約率を下げる可能性があります。
そのため、会社を売却する可能性があるなら整理しておく事を強くお勧めします。

会社の貸借対照表を綺麗にするのは、ディスプレイにある商品を磨くのと一緒ですが、5年〜など長期間かかる事も多いですので、気にかけていただければと思います。