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稲盛和夫氏は長期計画を立てない

2022.12.15更新

早いもので、今年最後の寄稿となりました。私は年が明けると4 月で 50 歳になります。20 代の頃と気分はあまり変わっていないのですが、老眼、白髪、腰痛……身体は着実に年を重ねておりますね 笑

稲盛和夫氏は長期計画を立てない

今年 8 月、経営の神様と言われた稲盛和夫氏が亡くなりました。
私が説明するまでもなく、日本を代表する経営者でした。過去にマスコミで名経営者と取り上げられた方が、晩節を汚すのを何度も目にしました。京都・宝厳院の住職も「人は不完全であり、決して完全な存在ではない」と仰っていました。その通りだと思いますが、その意味でも晩年に JAL の再建まで成し遂げ、経営者の鑑で在り続けた稲盛氏は、本当に稀有な存在であられたと思います。
 その稲盛氏の言葉をまとめた『経営12カ条』という本が最近出版されました。是非手にとって読んでいただければと思いますが、その中で、「私は長期計画は立てる必要はないと思っている。市場の変化による度重なる下方修正で反故にされる計画なら、ない方が良い。尺取り虫の歩みのように毎年やるべきことをやり遂げるのみだ」との旨がありました。
 実は、似たようなことをサムスン JAPAN の方(パン)社長も仰っていました。「これだけ市場変化が速い中で、長期計画などは意味をなさない。我々は優秀な人材を確保することのみに注力している。彼らが勝手に未来を創ってくれる」
 大事なのは、目の前の目標を何がなんでも達成する姿勢だと思います。逆に良くないのは、目標を達成しなくてもよいような雰囲気が会社を支配する、いわば負け癖がつくことです。かつての阪神タイガースのように、一度負け癖がついた組織を立て直すのは至難の業です。
 長期的な計画・目標が全く要らないとは思いません。しかし、それに縛られて思考の柔軟性を失うと、固定費だけが増加するなどして致命傷になりかねませんので、ご注意いただければと存じます。

計画達成を制度に落とし込む

 立てた計画は達成されないと意味がありません。それには部署、スタッフ一人ひとりの行動にまで何をどうすべきか、具体策を浸透させる必要があります。例えば、歯科の業界では患者さんの口腔状態の維持のために、定期メンテナンスを行うことが推奨されています。しかし、患者さんに支持されて忙しい医院ほど、衛生士の定着率が落ちるというジレンマがよく問題になります。
 そこで大阪のある歯科医院は、「患者さんのメンテナンスを月間100 回行なったら、翌月から自分のシフトを自由に決めて良い。ただし、100 回を切った翌月はこの制度は適用できない」というちょっと変わった制度を取り入れました。
 つまり、自分の担当する患者さんを増やして、予約を自分でコントロールすれば、長期休暇も取れるわけです。すると結果は、100 回どころか毎月 120 回以上行なって、この制度を維持しているそうです。これは、医院の目標がスタッフの実利に結びついているからこそ達成できているわけです。さらには、患者さんの健康維持にも役立っているので正に三方良しです。
 多くの企業で短期、長期の目標が立てられていると思いますが、その結果、スタッフの給与、生活がどうなるのか?がぼやけているのを目にします。会社の目標とスタッフへの還元は、必ずセットにしなければ、スタッフは動いてくれません。
 弊社は、利益還元として決算賞与という制度を続けていますが、上記のように「休み」や「特権」という形でスタッフに還元するのも面白いと思います。ある企業では、営業成績上位者は車通勤で駐車場の特等席(会社の玄関近く)に停めることが認められており、それがモチベーション維持に一役買っているそうです。お金を使わずとも、工夫次第で色々できそうですよね!
 さて、今年も皆様には大変お世話になり、心から感謝申し上げます。来年もスタッフと共に皆様の経営に貢献したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。今年の冬は例年より寒くなるとのこと。お身体大切に、良い年をお迎えください。

アントニオ猪木氏の”燃える闘魂”

2022.12.01更新

先日アントニオ猪木氏が他界されました。
小学生の頃、毎週金曜日の8時になったらテレビにかじりついてプロレスを見ていました。
同級生に無理やりかけた卍固め、プールサイドでの延髄斬り…。
今なら大問題にされたことでしょう。

皆さんご存知のとおり、猪木氏の代名詞は「燃える闘魂」
YouTubeの「最後の闘魂」も見ていましたが
まさに真っ赤に燃え続けた人生ではなかったかと思います。

今一人、燃える闘魂を推奨している方が亡くなられました。
京セラの創始者 稲盛和夫氏です。
稲盛氏が猪木氏のファンだったかは存じ上げませんが、
経営において最も大事な12条に掲げられるくらいですから、少なからず影響を受けていたのだろうと推察します。

企業が業績を伸ばす時、寝食を忘れて仕事に没頭する時期が必ずあります。
これは、かつてのSONYもそうだったようで
引退後に「どうやったら燃える集団になれるのか?」を研究している取締役もおられました。

戦国時代の名将 後藤又兵衛は、大坂夏の陣で部下の大半が絶望的な戦況でも逃げず大将と一緒に討ち死にしたそうです。
小説家の司馬遼太郎は、
「良き大将は自分の意思を配下にすっと移すことができる」旨を書いていました。
これはおそらく今も変わらないでしょう。
経営者の気合は必ずスタッフに伝わります。

経験上、経営者とスタッフが魂を燃やして事にあたれば大抵のことはうまくいきます。
何かと大変な環境ですが、闘魂を胸に頑張っていきましょう!