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稲盛和夫氏は長期計画を立てない

2022.12.15更新

早いもので、今年最後の寄稿となりました。私は年が明けると4 月で 50 歳になります。20 代の頃と気分はあまり変わっていないのですが、老眼、白髪、腰痛……身体は着実に年を重ねておりますね 笑

稲盛和夫氏は長期計画を立てない

今年 8 月、経営の神様と言われた稲盛和夫氏が亡くなりました。
私が説明するまでもなく、日本を代表する経営者でした。過去にマスコミで名経営者と取り上げられた方が、晩節を汚すのを何度も目にしました。京都・宝厳院の住職も「人は不完全であり、決して完全な存在ではない」と仰っていました。その通りだと思いますが、その意味でも晩年に JAL の再建まで成し遂げ、経営者の鑑で在り続けた稲盛氏は、本当に稀有な存在であられたと思います。
 その稲盛氏の言葉をまとめた『経営12カ条』という本が最近出版されました。是非手にとって読んでいただければと思いますが、その中で、「私は長期計画は立てる必要はないと思っている。市場の変化による度重なる下方修正で反故にされる計画なら、ない方が良い。尺取り虫の歩みのように毎年やるべきことをやり遂げるのみだ」との旨がありました。
 実は、似たようなことをサムスン JAPAN の方(パン)社長も仰っていました。「これだけ市場変化が速い中で、長期計画などは意味をなさない。我々は優秀な人材を確保することのみに注力している。彼らが勝手に未来を創ってくれる」
 大事なのは、目の前の目標を何がなんでも達成する姿勢だと思います。逆に良くないのは、目標を達成しなくてもよいような雰囲気が会社を支配する、いわば負け癖がつくことです。かつての阪神タイガースのように、一度負け癖がついた組織を立て直すのは至難の業です。
 長期的な計画・目標が全く要らないとは思いません。しかし、それに縛られて思考の柔軟性を失うと、固定費だけが増加するなどして致命傷になりかねませんので、ご注意いただければと存じます。

計画達成を制度に落とし込む

 立てた計画は達成されないと意味がありません。それには部署、スタッフ一人ひとりの行動にまで何をどうすべきか、具体策を浸透させる必要があります。例えば、歯科の業界では患者さんの口腔状態の維持のために、定期メンテナンスを行うことが推奨されています。しかし、患者さんに支持されて忙しい医院ほど、衛生士の定着率が落ちるというジレンマがよく問題になります。
 そこで大阪のある歯科医院は、「患者さんのメンテナンスを月間100 回行なったら、翌月から自分のシフトを自由に決めて良い。ただし、100 回を切った翌月はこの制度は適用できない」というちょっと変わった制度を取り入れました。
 つまり、自分の担当する患者さんを増やして、予約を自分でコントロールすれば、長期休暇も取れるわけです。すると結果は、100 回どころか毎月 120 回以上行なって、この制度を維持しているそうです。これは、医院の目標がスタッフの実利に結びついているからこそ達成できているわけです。さらには、患者さんの健康維持にも役立っているので正に三方良しです。
 多くの企業で短期、長期の目標が立てられていると思いますが、その結果、スタッフの給与、生活がどうなるのか?がぼやけているのを目にします。会社の目標とスタッフへの還元は、必ずセットにしなければ、スタッフは動いてくれません。
 弊社は、利益還元として決算賞与という制度を続けていますが、上記のように「休み」や「特権」という形でスタッフに還元するのも面白いと思います。ある企業では、営業成績上位者は車通勤で駐車場の特等席(会社の玄関近く)に停めることが認められており、それがモチベーション維持に一役買っているそうです。お金を使わずとも、工夫次第で色々できそうですよね!
 さて、今年も皆様には大変お世話になり、心から感謝申し上げます。来年もスタッフと共に皆様の経営に貢献したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。今年の冬は例年より寒くなるとのこと。お身体大切に、良い年をお迎えください。

アントニオ猪木氏の”燃える闘魂”

2022.12.01更新

先日アントニオ猪木氏が他界されました。
小学生の頃、毎週金曜日の8時になったらテレビにかじりついてプロレスを見ていました。
同級生に無理やりかけた卍固め、プールサイドでの延髄斬り…。
今なら大問題にされたことでしょう。

皆さんご存知のとおり、猪木氏の代名詞は「燃える闘魂」
YouTubeの「最後の闘魂」も見ていましたが
まさに真っ赤に燃え続けた人生ではなかったかと思います。

今一人、燃える闘魂を推奨している方が亡くなられました。
京セラの創始者 稲盛和夫氏です。
稲盛氏が猪木氏のファンだったかは存じ上げませんが、
経営において最も大事な12条に掲げられるくらいですから、少なからず影響を受けていたのだろうと推察します。

企業が業績を伸ばす時、寝食を忘れて仕事に没頭する時期が必ずあります。
これは、かつてのSONYもそうだったようで
引退後に「どうやったら燃える集団になれるのか?」を研究している取締役もおられました。

戦国時代の名将 後藤又兵衛は、大坂夏の陣で部下の大半が絶望的な戦況でも逃げず大将と一緒に討ち死にしたそうです。
小説家の司馬遼太郎は、
「良き大将は自分の意思を配下にすっと移すことができる」旨を書いていました。
これはおそらく今も変わらないでしょう。
経営者の気合は必ずスタッフに伝わります。

経験上、経営者とスタッフが魂を燃やして事にあたれば大抵のことはうまくいきます。
何かと大変な環境ですが、闘魂を胸に頑張っていきましょう!

経営にユーティリティ的人材が重要な理由

2022.11.15更新

コロナ禍で出張や会合等が激減し、ゴルフ、乗馬、そしてミュージカルなどの新たな趣味が増えました。
乗馬は優雅なイメージとは異なり、かなりハードなスポーツで、暴れん坊の馬に野外で 3 時間も乗ると、もう全身が筋肉痛です。
腰が悪い私には、良いリハビリになっています。
また先日は、ミュージカルの「ミス・サイゴン」を見に行き、とにかく歌声に圧倒されました。プロは本当に凄いです! ビジネスでは頭を悩ませることが多々あるのですが、健康を保って仕事をするためにも余暇でのストレス発散を心掛けています。

人が足りない時代だからこそ
最近、人財採用の専門家である鎌倉美智子さんとお話ししたのですが、「採用に関していうと、コロナ前に完全に戻っており、あらゆる業界で明らかに求人一件当たりの反応は落ちている」との事でした。
介護事業など従来から採用が困難な業種は勿論ですが、サービス業や建設業でも人手不足は深刻です。さらに、円安でベトナム人なども来日を敬遠しているため、今後の採用活動は決して楽ではないでしょうし、企業は既存のスタッフの給与アップを検討せざるを得ないと思います。

ユーティリティを大事に!
アベノミクス前のデフレ不況時に、建設業で「多能工化」という言葉が流行りました。
建設現場で、1 人が何役もこなす事で人件費を減らそうという試みです。土木建築ですと、5 人 1 組を 3 人 1 組に減らす事で利益を出す事が推奨されていました。
わりと最近だと、ホリエモンの『多動力』というのが注目されましたね。「異なる大量の仕事を短時間でこなす力」と理解しています。

皆さんは、ご自身で何役できるか?と考えたことがあるでしょうか?
「社長兼営業部長」はよくあると思いますが、さらに財務部長や教育係までこなせばかなり凄いと思います。
ゴルフには、UT(ユーティリティ)という、一本で何役も果たす便利なクラブがありますが、この UT 的な人財が何名いるか?で人件費は驚くほど変わります。

何かに特化したプロフェッショナルな人は目立ちますし、もちろん価値は高いのですが、こなせる業務の幅が狭かったり、そのために補助者が必要だったりと、コストも高くなりがちです。プロフェッショナルを雇用することに見合った売上が上がれば良いのですが、そうでなければ不採算になる可能性も多分にあります。
その点、UT 的な人がいれば新たに人を雇う必要が減り、企業としてはとても助かります。
特に、技術系出身の社長さんはプロフェッショナル志向の人財を好みますが、企業経営においては、「ある程度なんでもこなしてくれる人」がとても貴重だと思っています。
 
弊社の場合、山下という IT のマネージャーがいます。彼はプログラマーでありながら、同時にコスト削減のプロでもあります。ですので、彼に任せておけば常に最安の手法を考えてくれるのでとても助かっています。
また、広報の 2 名(女性)は採用活動全般も担っています。
広報は会社のことをよく知っていないとできません。知っている 2人が採用時に会社を案内すれば、応募者は的確な返答がダイレクトにもらえて、とても便利だからです。あと、人事の大半は私が決済しますから、人事部長は今のところ弊社には必要ありません。

中小企業の人的資源は本当に限られています。
だからこそユーティリティな人を育て、かつ大事にしたいものです。

「裁量」と「仕事の意欲」は正比例する

2022.11.01更新

「自分で選んだ仕事は楽しい」
「押し付けられた仕事は苦痛でしかない」

これは人の世の常ですよね

世の会社社長の大半は、人から押し付けられる仕事が嫌で独立した方々です。

かくいう私も、よくスタッフから
「代表にサラリーマンは無理ですよ。多分仕事を押し付けた上司を殴って、警察沙汰ですよ。社長で良かったですね!」と言われます。
まぁ、強く否定はしませんが…。

冗談はさておき、「選ぶ権利」=裁量がどれだけあるかと「仕事の意欲」は正比例します。

アメリカの軍隊で、ある士官が部下にそれまで無かった裁量を与えたところ、その年の離職率が0になったそうです。それまでは、70%を超えていたというからなおさら驚きです。

離職が減った結果、兵の習熟度が上がり攻撃テストで優秀な成績を収めただけでなく、自ら技術習得して外注しなくなったので修理コストが激減したそうです。

翻って、スタッフの自主性に任せるのは勇気と忍耐がいりますが、私も幹部、特に若手への権限移譲は大賛成です。

部下の力をいち早く引き出したいなら、任せて信じて口出しするのを我慢する
これが1番早道のように思います。

業績が長期的に安定している会社の特徴

2022.10.14更新

驚くべき速さで欧米各国が利上げし、景気悪化懸念で利上げができない日本は極端な円安になっています。ここまで来ると流石に身近なところにまで悪影響が出ています。
お客様の収益もそうですし、自分自身の生活でも「え ? いつものペットフードが 2 倍の値段 ?」みたいなことが起こっています。
インフレはアメリカで 9%を超えるなどかなり深刻ですが、日本も戦後の混乱期を除いても、それなりに高いインフレ率を計測した時代がありました。1980 年代後半のバブル期ではピーク時で3.27%ほどのインフレだったようです。
そういえば私が学生だった頃も、西新のラーメン屋の値段が毎年上がり、高校入学時 1 杯 350 円→卒業時 500 円になっていました。
一方で、「給与が上がっても物価が同等に上がって実質的な生活は豊かになっていない」と、ニュースになっていたのもよく覚えています。全体最適なインフレ率、為替レートはどのあたりなのか ?とても難しい問題だと改めて感じております。

とにかくやりきる組織に!
さて、仕事柄いろいろな企業様、医院様に訪問していますが、長期的に業績が安定している先にはいくつか共通項があります。
▪経営トップの探求心が強い
→今の社の状態、商品の品質、品揃えで良いと思っておらず常に向上しようと努力している
▪変革を恐れず、日々仕事のやり方や仕組みを変えている
→小さな変革(取引先との交渉、仕事の手順、給与制度、広報手段、人事等々)を常に行なっている
▪スタッフがトップの手腕を信頼している
→変革する組織では朝令暮改が常になりますが、スタッフが「社長が言うなら仕方ないな !」と即座に対応している
▪会社としての対応が速く、スタッフがよく働く
→会社の勢いは、大体レスポンスの速さに表れます
そして、何より感じるのは「徹底度が高い」ということでしょうか。

日本電産の永守重信会長は、何事も「出来るまでやる」を信条とされています。19 年連続増収増益の吉越浩一郎氏も、同様の事を常に仰っています。しかし、言うは易く行うは難しです。

私もよくスタッフに「〇月〇日までに〇〇するように」と通知を出しますが、スムーズに完遂されることは稀です。例えば、先日はスタッフに、ある業種の収益状況を全てデータ入力するように言いました。1 週間経って、期日前日での入力率は 47%。何も言わなければこんなものなのです。
そこで、改善のために行ったことは、
・どうしてこれが必要なのか朝礼で私から再度説明
・全社向けのメールにて全件今日中に入れるよう強い口調で通達
・入力していない人は個人名を公表すると予告
・サボりが悪質な人は直接呼び出すと警告

その結果は 100% 入力完了でした。
このくらいしつこくやらないと、100% にはなりません。
「うちの社長はやらないと怖い。どうせやらなきゃいけないなら、叱られる前にやろう……」というような具合でしょうか。それでもやれているだけまだマシでして、最悪なのは、「ほっとけば、社長はそのうち諦めるだろう」というサボりの風潮が蔓延することです。
こうなると往々にして業績は右肩下がりになります。
円安やインフレなどの外部環境は変えられませんが、社風は自力で変える事ができます。
会社の業績が悪化して困るのは当のスタッフ達でもあります。

スタッフのためにも、是非会社の徹底力を磨いていただければと思います。

経営は性善説と性悪説どちらですべきか

2022.10.03更新

ある会社で事業承継が行われました。
事業承継は鉄道のポイントの切替みたいなもので、
失敗すると脱線して、大事故になります。

新しい社長になってから幹部や優秀な社員が次々に退職して、
業績が一気に傾いた・・・なんてのは、よくある話です。

ある会社は、やたらと猜疑心が強い子息が社長に就任しました。
表ではニコニコしていますが、周囲の教えからなのか、腹の底から人を
信じられず、裏では幹部やスタッフの愚痴ばかり。
しかし、不思議なもので、そうした悪い話ほど外に漏れるのです。
標的にされた人は「やってられるか!」と、ドミノ式に辞めていきました。

人には、役割期待といって、「他人が自分に望む役割を果たそう」とする
習性があります。期待される役割がないのであれば、辞めるという選択肢しか残されていません。

また、心理学者のダグラス・マクレガー氏は、
「物質的欲求が満たされている現代にあっては、性悪説ではなく、性善説によるマネジメントを取るべき」
と語っています。

私も経営者になりたての頃、「部下を信頼しても、信用するな」などと年長者から教えられましたが、
「騙されたらそれは自分の力不足で、自業自得だ」
くらいの度量が経営者には必要だと徐々に思うようになりました。

翻って、経験則ですが、経営、特に人事は性善説のほうが上手くいきますし、その方が精神的にも楽です。
人を疑ってビクビクしながら経営するのは得策とは思えません。
「彼に○○という役割を与えれば、ますます活躍してくれるはずだ!」
という性善説に基づいた経営を心掛けたいものです。

【経営の決断101項より】学びが多かった点をご紹介します

2022.09.15更新

皆様こんにちは!
お盆に、支援している CANDY FARM さんを訪問するため北海道に行きました。ホテルに着いて、ストレッチをしたその瞬間、「グキッ……!?」と腰がなり、そのまま動けなくなりました……。
というわけで、お盆は札幌のホテルで寝ていました。
旅行最終日の 15 日が月曜日、1 件だけペインクリニックが開いていたので行ってみると、午前中だけで 50 名予約が入っていました。どこも休んでいるので、ここしかないわけです。改めて、「人と違うことをやる」のが事業の鉄則だと思いました。
とっても良い先生で、痛み止めを打っていただき、なんとか午後の飛行機で帰って来ることができました。
寝込んでいる時に読んだ本で、スター精密会長の佐藤肇氏の著書『経営の決断 101 項』は内容的に素晴らしかったので、その中からいくつかご紹介します。

社長が高級車に乗るなら、同等の利益を出せ!

私も車が大好きなので耳が痛いのですが、「高級車に乗ってもよいが、社長の私利私欲を満たすだけの経営では事業の繁栄は望めない。スタッフの給与を上げるのが先では?」ということです。
更にいうなら、節税も程々にしておかないと、社内制度や財務諸表がどんどんイビツなものになっていきます。すると、いざという時に資金調達ができませんからくれぐれもご注意ください。

・周囲が「今後1割減収だろう」と言うときは、2割減と考える

「先の見通しは悪く考えておく。それよりも悪くならなければ、その分は儲けものという気持ちで臨みなさい」というものです。ブリヂストン CEO の荒川詔四氏も、「世界のリーダーは皆小心者だ」と語っていましたね。
私は何故か周囲からイケイケに見られるのですが、実際は真逆でして、毎年売上計画には減収予測を入れていますし、毎月それをチェックしています。また、何か問題が起こったときは考えられる
最悪の事態を想定します。そうすることで準備もできますし、「あ、心配したけど大したことなかったな……」と精神的にも楽になるからです。
逆に「最近調子良いなぁ」と思うと、不思議と問題が発覚します。経営は問題が起こっているのが常態であって、油断せず、常にリスクを念頭においておく必要があるのだと思います。

・企業の存在意義は付加価値を生み出し、適正に分配すること

「社会にとって有益なモノやサービスを生み出して、付加価値を生み出すのが企業の存在価値である。そして、貢献した者にこそ付加価値を受け取る権利がある」とありました。
「新しい商品やサービスを生み出すこと」は、多くの企業が努力していると思うのですが、「分配」は意外と上手くいってないように思います。「頑張っても頑張らなくても給与が同じなら、頑張らないのが普通で、頑張る人は変人だ」と何かの本で読みましたが、経営者はついそのことを忘れます。

ある会社は、「社長の息子だから」という理由で高額の報酬を出していました。しかし、その息子はロクに仕事をしていなかったため、幹部がどんどん退職して、空中分解してしまいました。
利益が出たら、その「貢献者」へ適正に分配する。そして次の付加価値を生み出す。そのサイクルを回すのがとても大事だと思う次第です。

読んでいて、反省させられる点も多いのですが、そういう意味でも良書だと思いますのでオススメいたします。

経営とは信長 秀吉 家康を一人三役でこなすこと

2022.09.01更新

信長 秀吉 家康
戦国を代表する3人で誰が好きかと聞かれれば、皆さん答えは様々でしょうね。

ちなみに、わたしは秀吉→信長→家康の順で好きです。
家康は晩年の政治的な暗いイメージがどうも好きになれないです。

ところで、戦国時代はものすごく大雑把に言うと、
・信長が旧い制度を破壊
・秀吉が統合
・家康が安定させた
と言えます。

これが企業の場合、誰が好きとかではなく、長く経営してると一人で三役を果たす必要があります。創業期は人もお金もないので、なりふり構わずチャンスをモノにする必要があります。周りの目など気にしていてはダメでしょう。

会社に実力がついて来たら、秀吉のように周囲の力を利用し、周囲を儲けさせることを優先すると概ね上手くいきます。

最後は家康のように財力、権益、人的資源を背景に経営の安定化を図る…

家康の域までまで辿り着けば大したモノだと思います。
もっとも、私は家康嫌いなので、秀吉まで達成したら引退するつもりですが、皆さんはいかがでしょうか?

終わりが違えばやることが変わる

2022.08.10更新

皆様こんにちは!
先日、Mr.Children のコンサートに行きました。25 周年とのことで、選曲も OVER など、懐かしい曲がたくさんありました。
私はサザンオールスターズが大好きなのですが、こちらはもうすぐ50 周年。好きなバンドが長続きしているのはとても幸せなことですね。企業も然りで、まずは長く活動して、お客様(ファン?)を喜ばせることが何より大事なのだと思います。

終わりが違えばやることが変わる

私は49歳ですが、同年代の経営者仲間と会った時、よく話題に上がるのは、「いつまで社長をやるのか?」ということです。人生 100 年時代に早すぎるのかもしれませんが、病気や事故等のリスクもありますから、代替わりのことは、家族や社員のためにも常に考えておくべきことと思います。
承継のご相談を受けたとき、「税理士としては、大まかな方針だけ早く決めてもらえば助かります」とお答えしています。というのは、誰に継がせるかでやることが大きく変わるからです。

1. 親族承継の場合
子息に承継させる場合、大きな障害となるのが相続税と遺産分割です。よって、未来のどこかの時点を選定して、会社の株式(持分有り医療法人なら持分)の価格を引き下げ、一気に生前贈与するのが王道になってきます。
いろいろな相続税対策が存在しますが、どこかの時点で大きな損失をわざと作るという点は共通しています。オーソドックスには退職金です。
ですので、

▪役員給与等で毎年の利益をコントロールして、内部留保が溜まりすぎないようにする
▪生命保険を活用して法人税を減らしつつ、退職金の原資を貯めておく
▪兄弟間で喧嘩しないよう、遺留分を頭に入れて遺言を作成するなどを実行します。

更にいうなら、複数の法人を作って事業を切り分け、ホールディングス化を検討します。ホールディングスには株価引き下げの即効性はありませんが、長期的には株価上昇を劇的に抑える効果があります。親族承継することは決まっているが誰に継がせるかまでは決まっていない場合などに有効です。

持分なし医療法人の場合は、法人の内部留保には相続税がかかりません。よって、承継者が決まれば法人に利益を集中させるようにします。

2. 他人承継(M&A)の場合
会社の売却価格は直近 5 年の利益実績と、会社にある資産の価値で決まります。ざっくり言えば ① 純資産(資産-負債)の時価 ② 経常利益の 5 倍の合計額が、その会社のおよその売却金額になります。
注目してほしいのは、経常利益が 5 倍で評価される点です。つまり、売却時期が近い場合は、リスクの大きな新規事業、投資を行うより、目先の利益を出すことを優先したほうがより多くのリターンを得られる可能性が高いわけです。この経常利益には保険等でわざと節税した分や、社長の役員給与等も含まれます。(実質利益)
よって、返戻率の高い節税保険に入ることは問題ありません。また、M&A の場合は、「トップがいなくても業績が変わらないか?」がよく問題になります。トップにしか出来ないことが多いほど他人への承継が難しくなります。経営トップに極力依存しない組織づくりが M&A の成否に大きく影響することを頭に入れておいてください。

3. 借入負担が大きい場合
借入の負担があまりに大きい場合は、相続放棄も選択肢の一つです。相続を放棄すれば、連帯保証しない限り借入を引き継ぐことはありません。一方で生命保険の保険金は受け取ることが出来ます。よって、生命保険の掛け方がとても大事になってきます。
年に一度はこの場で承継関連のことを書くように意識しています。というのも、考えるだけで何もしないことが大半だからです。かくいう私も実行はまだまだこれからです。

この稿がきっかけで、皆様の未来に向けた行動が開始されればとても嬉しく思う次第です。

スタッフをやる気にさせる”褒め方のコツ”

2022.08.01更新

スマホの出現で1番大きく変わったことは「人が待ち時間に対して我慢できなくなったこと」だと思います。

以前はパソコンでメールをして、翌日返信が来れば別にイライラすることはありませんでした。
しかし、今は朝LINEして、夕方までに既読にならないと
「遅い!何やってんだ!」
となります。
ましてや、既読後に即日返信がないとクレームの対象にすらなります。

要するに、どんどん気が短くなっているのです。

ただ、それはお客様に限ったことではなくスタッフも同じで、経営者もそのことを分かっておく必要があります。

例えば、賞与や報奨金の査定がそうです。
スタッフが大きな契約を取ってきたとして、それが半年後にしか換金されないとしたらどう思うでしょうか?

遅すぎてイライラするか、もしくは支給される頃には契約した時の喜びをすっかり忘れていることでしょう。

実際、知り合いの会社では、1年間の営業成績を期末にまとめて報告していました。
何度も「それでは遅すぎるよ」と忠告したのですが、「総務の都合もある」と頑として変えませんでした。

結局、
「俺の手柄が反映されていない!賞与査定はブラックボックス化している」
と大騒ぎになり、大量退職者が出て、今も業績は復活できずにいます。
評価は間違えていなかった にも関わらずです。

弊社では、例えば顧問契約が増えたら翌月には表彰しています。
その他、オプション的な仕事も即座に評価して賞与金額を通達しています。

人心掌握の天才だった豊臣秀吉は、金塊を大きな壺に詰めて自分の側に置き、手柄を立てた部下にはその場で手づかみして配ったそうです。

褒めるならすぐに褒める。

これが得策なのだと思います。

得意なことに資源を割く

2022.07.15更新

皆様こんにちは!
先日、山の中でカタツムリを発見しました。よく見ると、右巻きになっているんですね。ネットで調べてみると、「葉っぱなどの餌をより効率的に食べるために、ほとんどのカタツムリは右巻きである」とのことでした。
生物の適応力には感心させられることが多いですが、カタツムリもちゃんと適応しているんですね。ちなみに、このカタツムリ、翌日も同じところにいました。あまり活動的ではないようでした。笑

得意なことに資源を割く
こんな事を言うと叱られるかもしれませんが、私は税理士の業務が本当に苦手です。正確には、帳簿の残高を合わせたり、差異の原因を探したりといった細かい作業がとにかく不得手です。
本の読み方は斜め読みで速いけれども雑ですし、とにかく面倒なことが嫌いなのは子供の頃から変わりません。なので、入社した当時は1週間で「この仕事は恐ろしく向いてないから辞めよう」と真剣に思いました……。

逆に、節税のアイディアや資金繰り対策を考えるのは大好きです。なので、なるべく好きな仕事に自分の時間を使うようにしていす。ジョン・C・マクスウェルは、著書『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』のなかで、「リーダーは焦点を絞るべきだ」と述べています。例えば、イチローはヒットを打つのが得意ですが、彼が盗塁の練習ばかりしていたら、おそらく 4367 本ものヒットは打てなかった……という具合です。

では、どのように時間や労力を振り分けるべきか?マクスウェルによれば、
理想の比率は70:25:5なのだそうです。
70 得意なことを磨く
「得意なことがない人はいない」とドラッガーは語っていますが、誰しも得意なことがあります。これに大部分を割くべきということです。
25 新しいことに挑戦する
得意分野をさらに伸ばすために、新しいことに挑戦する。例えば、交渉が得意な社長が行動心理学を体系的に学ぶ 等です。
5 弱点克服に割り当てる
野村克也監督は「弱点はなるべく減らしたほうが良い」と語りましたが、そればかりやっていると気が滅入りますね……。

私の場合は、私の弱点を得意とするスタッフの手を借りることで回避しています。
「25」は新しい手法の学習や情報収集、実践ということになるかと思いますが、これは皆様のためにも継続してチャレンジしなければと思う所存です。
上記は人事を考える上でもとても役に立ちます。営業が得意な人にはやはり営業をさせたほうがイキイキとします。業務の正確性を磨くために財務の勉強などをさせるのも一案ですが、それはあくまで得意なことを磨くための 25 もしくは 5 の範囲内にすべきでしょう。

弊社で最近、「これは当たりだった!」と思うのは、広報・採用の専門部署を作ったことでしょうか。
広報リーダーの T さんは元々総務で、秘書希望だったのですが、ある時広報をやってみないかと、半ば強制的にお願いしました。
理由は、
▪広報と採用は表裏一体なので同じ人がやったほうが効率が良い
▪Tさんは性格が明るく、ユーモアがある
▪総務にいたので、会社のことをよく知っている
▪秘書希望なだけあって、周囲に気が利く
▪誤字脱字を探すのが私の 100 倍上手い(細かい)
▪見た目より根性がある からでした。

当初は社内でも「広報なんて必要なのか?」という意見もあったようですが、今ではなくてはならない部署になっています。逆に税務や経理をさせたらすぐに辞めていたでしょうね。笑
皆様もご自身やスタッフのスケジュールを振り返って、得意な業務に時間を費やせているか確認してみてください。
意外なところに改善点、突破口が隠れているかもしれませんよ。

新人には教えて、褒めて、そして・・・?

2022.07.01更新

スタッフの教育で悩んでいる経営者はとても多いと思います。
かくいう弊社もスタッフ教育は試行錯誤ですが、私自身が気をつけていることはいくつかあります。

入社したては「教えて、褒める」

新人時代にご自身がどのくらい「デキない社員」だったか思い出せますか?
でもデキなくて当たり前なんですよね。最初からデキる人なんていませんし、
そもそも何も知らないのですから。

私が新人の時、


「すみません、◯◯産業への支払いは何の科目ですか?」

お局の先輩
「人に聞く前に自分で考えなさい!(怒)」


「・・・。」

初取引だし、インターネットでも会社情報がないのに、一体どうやって調べるのか?
怒っている意味がわからんわ!!(怒怒)

と、そのお局先輩に対する不満は募るばかりでした。

てなこともあって、新入スタッフには
・3秒わからなかったら先輩に質問すること
・同じ質問をしないようにメモを取ること
と周知しています。

また、そんなに責任の重い仕事はしていないわけですから、
たとえ失敗しても叱ることは滅多にありません。
それよりも出来るようになったことを褒めてあげたほうが、本人の自信もつくし、成長が速いです。

今ひとつ!

人は出来事のピークと最後(エンド)、特にエンドのインパクトがとても強いのだそうです。
俗にピーク・エンドの法則と言います。
例えば、叱られっぱなしでその場が終わると、叱られた記憶と嫌な感情だけが永遠に残ってしまいます。
そんな時は、
「ま、しょうがないな。期待しているから次はきっちり頼むぞ!」
と、ポジティブな言葉をかけてあげれば、叱られた記憶を励まされた記憶が塗り替えてくれます。

「叱ったら、励ます」

これも大事なことかなと思います。

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