2022.05.02更新
事業承継って、線路のポイント切り替えみたいなものでして、
間違えると脱線して大事故になりかねません。
中小企業の業績の95%はトップで決まると言われますから、その交代は良くも悪くも影響大です。
承継して良い方向に行けばよいのですが、経営者としての資質がない長男に無理やり経営させた途端、幹部が次々に退職して経営危機に陥った・・・なんて事例もあります。
私自身が会社を引き継いた経験と、20年間いろいろな会社を見てきて、
親子承継時にこれだけはやらない方がよいと思うことを列挙すると・・・
①兄弟仲よく経営させる
→ 経験上、兄弟ほど遠慮がなく、激しく喧嘩します
②遅すぎる事業承継
→ 後継者にも旬があります。例えば60代で新たにチャレンジするのはなかなか酷でしょう
③株式の兄弟間の分散
→ 買い取り請求など往々にして揉めます。後継者が100%持つのがベストでしょう
④親の退職金を借入で賄う
→「贅沢するな!」と、承継する息子と大喧嘩になりますから、保険等で簿外に貯めておくのがベターです
⑤後継者を現場に出さない
→ 現場を経験させないと、(屁?)理屈ばかりこねる社長になりがちです
⑥会社の状況を教えない
→ 状況が悪い場合、引き継いだあとで「こんなはずではなかった・・・」と激しく後悔します
⑦いきなり取締役に抜擢する
→ 自分の実力ではないのに、偉くなったと勘違いして努力を怠るケースが多々あります。
他にも色々ありますが、上記は最悪の結果を招くことがありますから、くれぐれも注意なさってください。
2022.04.01更新
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
野村監督の言葉として有名ですが、元々は江戸時代の剣術の達人、松浦静山の言葉だそうです。
(知らなかった・・・。)
実は似たようなことを元アメリカ・コカコーラCOOのドナルド・R・キーオ氏も著書で語っていまして、
「成功するのに王道などはない。あるとすれば『必死で頑張れ』『親孝行しろ』ということくらいもの。それに比べ、こうやったら失敗するというのはある程度王道がある」
という趣旨を述べていました。
失敗には必ず原因があります。
なので、どうしたら失敗するのかを予め勉強しておけば、将来リスクを下げることが出来ます。
例えば、現場に出向かない経営者は、大抵の本で「典型的なダメ社長」と書かれています。
だったら、徹底して現場に向き合えば良いだけのことです。
さて、私などでも「いかにして会社を発展させたか?」と、同業の方に聞かれることがあります。
色々考えるのですが、答えは「よくわからない」です。
そもそも、経営的に成功しているのかもよくわかりませんし、無我夢中で走った結果今の状態になっているのであって、実際は多くの不安を抱きながら経営しています。
「一寸先は闇」という言葉のほうがよほどピンときます。
最近読んだ、日本電産/永守重信氏の著書に、
「自分は周囲が驚くほど怖がりだ。しかし、経営者の素養として臆病さは極めて重要である」とありました。永守氏が臆病であるとはとても信じられませんが、
臆病だからこそ勉強して、負ける確率を下げる・・・。
経営者としてとても大事なことではないかなと思う次第です。
2022.03.10更新
「経営者の名言」より
小規模な企業が生き残るには、局地戦に勝て! 永谷嘉男/永谷園創業者
暗黙のルールは変化する
かつて「不倫は文化だ」と言いながらも人気を博した芸能人がいました。
もし今の時代なら各方面から袋叩きに合うこと間違いなしでしょう。
先日、週刊文春の元記者の方とお話をする機会がありました。
で、連発される文春砲について聞くと、
「自分たちも別に不倫のことを書きたいわけじゃないんですよ。本当は政治や社会情勢など書きたい事はたくさんあります。
けど、肝心な読者がそんなもの求めていないんです。発行部数を伸ばすためにはゴシップネタを書くしかないというのが実情なんです」
とのこと。
不思議なもので、経済的必要に駆られて書いた記事が世論を形成し、今や芸能界はかなり高いレベルで清廉潔白さを求められる。
良いとか悪いとかではなく、これが現実なんですよね。
一昔前の企業経営において、コンプライアンスは経済性のニの次だったように思います。
しかし20年ほど前から潮流が明らかに変わりました。
雪印食品が品質管理を怠り14000人の食中毒を引き起こし、その後も相次ぐ偽装問題で事実上経営破綻したのはその象徴的な出来事でした。
私の周囲でも、とある訪問販売の会社が老人に強引な販売をしたことが新聞に報じられ、過去最高益を記録した次の年に倒産したという事例があります。
企業経営においてコンプライアンス違反は命取りになりかねません。
社会には法的なルールはもちろん、暗黙のルールというのも多数あります。
特に後者は時代とともに変わるということを頭に入れて、日々の経営に取り組まねばならないと思います。
2022.03.03更新
「低賃金で稼ぐ時代は終わる」
15年ほど前にタイのプーケットに行った時、オーストラリア人と話す機会がありました。電気工事業の課長クラスで、私よりはるかにグレードの高い部屋に家族4名で2週間滞在予定とのことでした。
金額にすると300万円はくだらないでしょうか。
その後オーストラリアに行く機会があったのですが、オーストラリアの最低賃金は1850円。実際、現地で2000円以下で働く人はいないが、日本人は1200円でも喜んで働いているとのことでした・・・。
「鉱山資源は豊富でも、人口が2500万人しかいない。だから人が貴重で、賃金は高くなる」
この状況は今後日本でも確実に起こるでしょう。
この20年で労働人口は1000万人減りました。
今後20年でさらに1500万人減ると予測されています。
毎年のように最低賃金が上がっていますが、最終的には1500~1800円くらいは
覚悟しておく必要があると思います。
よって、パートやアルバイトで人件費を削減して利益を出すスタイルは年々厳しくなると思われます。
高くても欲しいもの、高いけど喜ばれるサービス を追求していくことが
中小企業の長期的な課題になると思う次第です。
2022.01.05更新
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。Twitterばかりでこちらのブログの存在を忘れておりました…。
ですので、久しぶりに書かせていただきます。
私、経営者として早20年が経過しました。20年前と比べると、多少は成長したと思いたいのですが、残念ながらまだまだ未熟者です。
最近、19年連続増収増益で有名な、元トリンプジャパンの吉越浩一郎さんとご一緒する機会があるのですが、氏と話していると自分の未熟さを痛感させられます。勝手に師匠と思っております。
この年になると、何かを集中的に習う機会が激減します。自分の至らなさを教えてくれる存在は本当に貴重です。
また、最近思うのはコンプライアンスについてです。
ある程度歳を重ねた方がコンプラ違反をすると、世間に対して言い訳がききません。違法な取引、脱税などに手を出せば会社は社会的に抹殺されます。そしてそれらは大半が社内からの密告によって発覚します。
経営者ともなれば、不正の罠はそこら中にあります。くれぐれも欲に負けて、不正に走らないように気をつけていただきたいと思います。
コロナ禍が一日も早く収束することを願いつつ、今年もスタッフ一同お客様の未来のために全力を尽くしますので、どうぞよろしくお願い致します。
2021.01.11更新
新年明けましておめでとうございます
昨年はコロナにはじまり、コロナに終わったような一年となりました。
弊社では感染の社会的影響が本格化する前の3月初旬から資金繰りや助成金の活用支援に取り組み、
私の管轄では300億円を超える調達を行いました。
結果として法的倒産は昨年末時点で0件となっております。
しかし、今後の感染の状況次第では大変厳しい経済環境も予測しておかねばなりません。
本年も引き続き皆様の経営が安定しますよう、毎月関与先様全社への資金繰り予測、最新の融資等の情報提供、そして実行支援を行いますことをお約束致します。
スタッフ一堂、皆様のために努力研鑽いたしますので、どうぞよろしくお願い致します。
2020.08.08更新
よく会社は3代目が潰すと言います
しかし、これは3代目が悪いのではなく、
2代目がダメで、3代目が継いだ時はどうしようもなかった…というのも多数あると思います。
私の父は、よく、
「可能であれば親族による承継が最も上手くいく」
と言ってました。血族でない幹部の1人が抜擢されると、ほかの幹部が嫉妬して辞めたりするからです。
しかし、親族の後継者が優秀である保証はどこにもありません。むしろ、そうでないことの方が多いのではないでしょうか?
親族の後継者が優秀であることに越したことはないですが、一つだけ資質の要件があるとすれば、それは、
「お客様を喜ばせる事に長けている」
事だと思います。
これができないようなら、経営者には向かない…というか、必ずや会社を潰す方向に導きますから。
その適性を知るには営業の最前線に放り出すのが得策です。間違っても最初から取締役などにして、温室栽培しないようにしましょう。育つものも育たなくなります。
2020.07.22更新
標題は株式会社武蔵野の小山社長の言葉です。
現在はいろいろな金融商品、決済手段、取引方法がありますが、結局は現金のやり取りが姿を変えただけです。
少し乱暴に言えば、商売は現金を増やすことが唯一の目的とも言えます。
ところで、私達会計人は限界利益をというのを意識してアドバイスをします。
この限界利益とは、売上から材料などの変動費を差し引いたものです。
この限界「利益」ポイントは、人件費などの固定費を考慮しないことです。
なぜなら、人件費などは売上があってもなくても支払う必要があるからです。
よく、「採算が取れないから」と取引をやめてしまったり、見積もりを引っ込めるケースを目にしますが、
そのときに人件費を入れて考えてないでしょうか??
結論彼言えば、「売上-変動費」がプラスならばその仕事はやったほうが現金は増えます。
あとは、スタッフの残業など、他の要素を検討することになります。
これは意外と経営上の盲点ですので、気をつけて頂ければと思います。
2020.03.14更新
2月頭の初報に接した時は、「コウモリなんか食べるなよ…」程度の認識だったわけですが、今はリーマンショック以上の経済危機となっています。
リーマンショックと違うのは、最初から実体経済に影響がある点です。
今すでに売上が下がっている企業はもちろん、そうでない企業も転ばぬ先の杖で資金確保をする事をお勧めします。
資金確保には
・保証協会による特別枠を利用する
・政府系金融機関の特別な制度を利用する
がありますが、どちらかではなく、どちらも利用するくらいで良いと思います。
また、思い切って会社を休業する場合は雇用調整助成金が使えます。リーマンショックの時は、雇用調整助成金と、保険解約、期間短縮で難を乗り切った企業がいくつもありました。このあたりは思い切った判断が功を奏するのではと思います。
弊社ではこれら政府対策の全ての手続きに対応可能です。お困りの際はすぐに担当までご連絡下さい。
また、関与外でもなんとか対応いたしますので、遠慮なくご連絡下さい。
2020.01.05更新
新年あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い致します
正月はなんとなくですが、キングダムを読んでおりました。子供の頃三国志に熱中しましたが、久しぶりに同じ気持ちが湧き上がって来ました。
もっとも、中学生の頃は張飛や関羽に憧れましたが、今は曹操に目が行きます。年を経て、経営者らしくなったと言えばそうかもしれませんね。
三国志もキングダムの戦国時代も、様々な武将が出てきて、それぞれの能力を活かして活躍します。しかし、共通しているのは、強い大将は率先垂範、常に先頭に立っているということでしょう。
現代は刀や槍でなく、パソコンや技術を持って戦うわけですが、大将がやるべき事は敵を打ち砕く作戦を練り、実行し、部下の生活を安定させる事です。これは全く変わっていないと思う所存です。
司馬遼太郎が小説、項羽と劉邦で書いてました。古来、大王とは食の提供者であると。
現代では、食=売上、そして利益です。経営者は利益を出さなければ結局は失格です。私も失格者の烙印を押されないよう、毎年が勝負だと強く思っております。
そのためには、当たり前ですが、クライアントの皆様の利益が出るようなアドバイスを一つ一つ積み上げていかなければなりません
今年も皆様の未来のため、ひいてはスタッフのために尽力しますので、どうぞよろしくお願い致します!
2019.12.29更新
クライアントの皆様には、大変お世話になりまして、
厚く御礼申し上げます。
今年は保険税制の大改正から始まり、時代は令和となり、佐賀中央オフィスを開設するなど、記憶に残る年になりました。
来年、私自身は、4月で会社を引き継いでから20年目に突入します。28歳で継いでから、30年間なんとか頑張ろうと思っていましたが、もうすぐ2/3が終わることになります。
経営者として中堅どころの年数になって来ましたから、今後は若手の経営者に自分なりに身につけたスキルやノウハウなどをお教えできればと思っています。
ところで、最近ゴルフを始めたのですが、これが全く上手くなりません。
が、ゴルフは経営によく似ていますね。
・開眼してもすぐに閉眼する
・メンタルひとつで結果が大きく変わる
・1つのナイスショットより、10のベターなショットが大事
・スコアメイクは一発のドライバーより、こまかなパターとアプローチ
・スイングは理論も練習も同じくらい必要
・練習してもコースで実践しなければダメ
さらに大事なのは、誰に習うか?でしょうか。
師がいない状況では上手く成長できない点もそっくりですね。
来年は仕事はもちろん、ゴルフもそこそこ頑張りたいとおもいます 笑
今年も本当にありがとうございました。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
2019.12.15更新
東洋経済の記事に、新興のIT企業に就職して、失敗した…
というのがありました。
有名私立を出て、カリスマな若手経営者がいるベンチャーに入ったはよいものの、
・理念経営の旗印のもと、朝から晩まではたらく
・有給休暇が取れない
・退職金制度もない
など、大手に就職した友人たちと比べて自分は不遇だというものでした。
まぁ、社労士の人が書いた記事なのでどこまで鵜呑みにするかという問題もありますが、この記事は大事な視点が抜けています。
それは、ベンチャーには大金を手にできるかもしれないとい
夢(≒ギャンブル性)があることです。
朝9時から17時、有給休暇100%、こんな会社で新規ビジネスを立ち上げ、上場するのはかなり困難でしょう。というか、そんな会社は見たことないです。
また、そのベンチャー企業もいつしか経営が安泰して来れば、まともな経営者なら福利厚生を手厚くしていきます。
ですから、現時点での自分の待遇を比較するのがナンセンスというものです。おそらく、記事に出てくる友人は、大金を手に入れるチャンスは無いわけですから。
夢を取るか、安定をとるかは、その人の価値観によります。良い悪いではないと思う次第です。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。