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ホームランバッターは3人で十分

2025.07.15更新

先日昭和のスーパースター、長嶋茂雄氏が他界しました。私は現役時代や最初の監督時代は知りません。あっ、かろうじて王さんの最後のホームランは覚えています。

子供の頃はテレビで「浪人中」や「文化人」と呼ばれていて、バラエティー番組などにもたくさん出演されていました。その後、Jリーグができて野球人気に陰りが出た際、切り札として監督復帰した時のフィーバーぶりは凄かったですね。ドラフトで松井秀喜を引き当てたときは、「本当に持っているなぁ!」と思ったのを覚えています。

その後も10.8決戦、メークドラマや野村監督との因縁の対決などなど…これだけファンを惹きつけ、また野球ファンでない人からも愛された人はいないでしょう。心からご冥福をお祈りいたします。

 
さて、この長嶋家ですが、長男の一茂氏の行動から相続問題が話題になったことがありました。子息は4名。相続財産は20億ともいわれています。まともに計算すると、相続税は8億ほど。実に40%近くが課税されることになります。

しかし、報道によると長嶋さんは財団法人や自身の不動産や商標を管理する関連会社を所有していたとの事。豪華といわれる自宅も引き続き誰かが住めば小規模宅地の評価減が適用される可能性が高いので、実際には相当少ない額で済むのではと思います。
特に昨今値上がりしている不動産は相続税対策には欠かせないものになっており、現預金に比べて20%~50%程度しか評価されませんし、財団に寄付した財産も課税はなし。ミスターは相続対策もバッチリだったと推測されます。

ところで、息子の一茂氏が「私は相続放棄している」と以前言ったとの事ですが、これは法的には間違い。遺留分放棄と違って、相続放棄は相続開始後でないと出来ません。なので、本当に彼が財産を放棄したかどうかは3ヶ月経たないとわかりません。
相続税対策と、財産をどのように分けるかは密接な関係がありますが、お金に対する考え方は人それぞれです。私も、相続税対策をする時は、とにかくスムーズにいけば良いなといつも思います。

 
ホームランバッターは3人で十分

今回は野球にこだわりたいと思いますが、1990年代後半の巨人は、清原、ハウエル、江藤、広沢、石井といった各チームの4番バッターをFA等で獲得し、一堂に集めました。毎日がオールスターじゃないかといわれる位のメンバーです。
ところが全然勝てない。(笑)これに対して、多くの選手を引き抜かれたヤクルトが何度も優勝しました。全盛期の西武もそうなのですが、中心選手以外は守備が上手くて足が速いのです。西武の森監督は、清原、秋山、デストラーデ、この3人以外、ホームランバッターは要らないと言っていたそうです。

マネーボールという実話をもとにした映画で、めちゃくちゃ弱いアスレチックスが他のチームでクビになったような選手をかき集めて勝ち進むシーンがあります。その時のゼネラルマネージャーは、打率ではなくて、出塁率しか見ていなかったそうです。デッドボールでも何でもいいから、とにかく塁に出る。そしてヒットやホームランではなく、相手のエラーによる得点であっても1点は1点だという考え方です。

こういう野球を見せられて面白いかといわれれば疑問で、興行的にはどうかと思いますが、プロの目的が勝つことであるならば正しい選択だといえます。
長嶋さんはファンから見れば夢のようなチームを作り上げました。しかし勝つためのチーム作りや采配に関しては野村さんや森さんの方が上だったと私は思っています。

翻って、経営ではどうしても華々しい活躍をする営業マンや、自分のできないことをやってくれるSEなどに目が行きがちです。しかし、彼らも誰かのサポートがなくては、本当に得意な分野に専念させることはできません。そういう意味で、会社には多彩な人がいた方が良いと思いますし、一見ダメに見えるスタッフにも実は得意な分野があった…というのはよくある話です。
例えば社長が売上の最強スラッガーだとしたら、同質のスタッフではなく、そのお膳立てができるようなスタッフを意識して集めてみてはいかがでしょうか?また違う展開が見えてくるかもしれませんよ。