2025.05.15更新
GWに旅行された方も多いのではないでしょうか。
JTBの予測からすると、今年は全日本人の25%ほどが旅行をしたそうです。私は最近、東京にオフィスができたこともあって、よく出張します。
飛行機はJAL派なのですが、これは約20年前にクライアントの娘さんがCAとして入社され、その縁でJALカードを作ったからでして、サービスが素晴らしい等の深い理由はありませんでした。
ですが、たまにLCC(Low Cost Carrier) に乗ると、FSC (Full Service Carrier) であるJALのサービスの質の高さがよくわかります。
なにしろLCCは、低価格ですが、
等々 ・ ・ ・ 。 (関係者やファンの方がいらっしゃったらごめんなさい)
というわけで、遅刻して仕事に支障があると困りますし、「数千円~2万円程節約できるけど、イライラしたり、サービス面で嫌な思いをしたくない」というわけでJALを利用しています。このことは知り合いの有名コンサルタントもFacebookでよくつぶやいていて、彼はANA(プレミアムクラス) にしか乗らないそうです。元トリンプ社長の吉越浩一郎さんも先日LCCに乗られて、珍しく激怒されていましたね…。
それで、私がJALを利用していつも思うのが、「航空会社ほど乗客を明確に差別していて、かつ、それが受け入れられている例はあまりない」ということでしょうか。
といった具合です。
経営では、「お客様を差別しろ!」とよくいわれます。それは、売上の上位20%のクライアントが80%の利益を産んでいるという理論からきています。 航空会社の場合、外路線のファーストクラスの乗客を最優遇していますが、実のところ、そこで得た利益があるからエコノミークラスを格安で提供できるという事情もあるのだとか。
しかし、実際にクライアントを金銭面から差別するのはとても勇気がいることで、 私などは 「顧客にはできるだけ平等にサービスを提供する」という考え方から脱することができません。
一方、最近は買い切りよりもサブスク的な商品が世の中に増えたせいか、この「顧客差別」を明確に打ち出し、販売戦略に躊躇せず取り込んでいる会社がとても増えたように思います。サブスクは長期で利用してもらうのが何より大事なので、より値段の高いプランの利用者や、長期間利用者に、より手厚いサービスを行うことが必要になってきますし、一度契約してもらえれば安定した売上と利益が長期間期待できます。
考えてみれば、長年お付き合いがあったり、売上に多大な貢献をしている顧客と、そうでない顧客を同列に考えるのは、これまた不平等な話なのですが、日本人は「お客様は皆平等」との認識が特に強いのだそうです。これは新規のクライアントを増やしやすいという良い面もありますが、過剰サービスでコスト高になるなどの弊害もあります。
一度自社のサービスを見直し、「正しい差別化」ができているか?を検証してみてはと思います。そこから面白いサービスが生まれるかもしれませんよ。
さて、このサブスクですが、行動心理学的には 「現状維持バイアス」という、「人は現状をよほどのことがないと変えたがらない」という特性にアプローチしたものだそうです。今あるものがなくなる不便さに耐えられないという心理状況をうまく利用しているわけです。例えばWOWOWは見なくても人生にさほど影響しませんが、サザンのライブが見れなくなるのが嫌なので継続!みたいな感じです。
また、人は「自分の決定を正しいと思いたい」という自己肯定の欲求があるそうで、一度長期購入を決めると簡単には変えられないのだとか。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。