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経営は性善説と性悪説どちらですべきか

2022.10.03更新

ある会社で事業承継が行われました。
事業承継は鉄道のポイントの切替みたいなもので、
失敗すると脱線して、大事故になります。

新しい社長になってから幹部や優秀な社員が次々に退職して、
業績が一気に傾いた・・・なんてのは、よくある話です。

ある会社は、やたらと猜疑心が強い子息が社長に就任しました。
表ではニコニコしていますが、周囲の教えからなのか、腹の底から人を
信じられず、裏では幹部やスタッフの愚痴ばかり。
しかし、不思議なもので、そうした悪い話ほど外に漏れるのです。
標的にされた人は「やってられるか!」と、ドミノ式に辞めていきました。

人には、役割期待といって、「他人が自分に望む役割を果たそう」とする
習性があります。期待される役割がないのであれば、辞めるという選択肢しか残されていません。

また、心理学者のダグラス・マクレガー氏は、
「物質的欲求が満たされている現代にあっては、性悪説ではなく、性善説によるマネジメントを取るべき」
と語っています。

私も経営者になりたての頃、「部下を信頼しても、信用するな」などと年長者から教えられましたが、
「騙されたらそれは自分の力不足で、自業自得だ」
くらいの度量が経営者には必要だと徐々に思うようになりました。

翻って、経験則ですが、経営、特に人事は性善説のほうが上手くいきますし、その方が精神的にも楽です。
人を疑ってビクビクしながら経営するのは得策とは思えません。
「彼に○○という役割を与えれば、ますます活躍してくれるはずだ!」
という性善説に基づいた経営を心掛けたいものです。