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既に義務化!電子帳簿保存法の注意点と具体例

2024.04.16更新

こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。

 

1.はじめに

税務手続きに関し2024年1月から変更になったことがあります。それは、「電子取引」のデータ保存義務化です。「電子取引」とは電子上で書類のやり取りをした場合のことをいい、web明細やメールによる請求書等の添付、ECサイトで購入した領収書がweb上にある場合などが該当します。

 

2.データ保存の注意点と宥恕(ゆうじょ)規定

国はデジタル化を推進しており、データで請求書等を受領したのに印刷して紙で保存するのはデジタル化に逆行します。そのような背景から電子取引はデータのまま保存することが義務付けられています。
また、保存をする際には「税務調査の際にデータのダウンロードに応じる」「改ざん防止措置」や「検索要件」など複数の要件を満たした上で保存する必要があります。

実はこの電子取引のデータ保存義務化は2022年1月から実施されています。ところが時期尚早との声が実務界から上がり、事実上2年間延期されました。そして2024年1月から義務化が再スタートしたわけですが、電子保存の対応が難しいとの声が引き続きあったため、結局期限のない「宥恕(ゆうじょ)規定」が置かれることになりました。

宥恕規定によると「改ざん防止措置」や「検索要件」など厳しい要件は不要になり、「税務調査の際にデータのダウンロードに応じる」の要件さえ満たせば従来どおり紙で保存ができるようになりました。
また、宥恕規定を使うためには「税務署が相当な理由があると認める」という要件が必要になるのですが、これは「システム導入が間に合わない」、「ワークフローの整備が間に合わない」という理由が通じるので、事実上中小企業なら誰でも使える規定になっています。多くの中小企業はこの宥恕規定を用いて電子保存義務に対応することになるでしょう。


 

3.電子帳簿保存の例

では実務上どのように対応すれば良いか、典型例としてECサイトでの購入のケースで見ていきましょう。

 

質問:ECサイトで物品を購入し領収書をダウンロードする場合、領収書等をダウンロードして保存する必要があるか?

回答:ECサイト上で領収書等データの確認が随時可能である場合には、領収書等データをダウンロードして保存しなくても良い。ただし、①ECサイト上で検索要件を満たしているか、②税法上の保存期間を満たしているか、がポイントになる。

対応A(原則)
ECサイトで検索要件等を満たしていない場合には、ダウンロード保存が必要。

対応B(原則)
ECサイトで検索要件等を満たしている場合には、ECサイト上のまま保存で良い。

対応C(宥恕規定)
書面保存している場合には検索要件が不要なので、印刷の上ECサイト上で保存すれば良い。
※保存期間注意 対応Cの宥恕規定を使う場合には保存期間が問題なければ、今まで通り紙保存で良いということになる。

ECサイトの場合には、サイト上でいつでもダウンロードできる状態であれば、PDF等にダウンロードして保存することが不要になりました。また本来は検索要件等が必要なのですが、宥恕規定を使う場合には検索要件等も不要になります。税務調査が来たら、ECサイトからダウンロードすれば要件を満たします。従って、ポイントは「保存期間」のみになります。

 

4.さいごに

法人税法の場合には7年間書類の保存が義務付けられているため、サイト上で7年間遡ることができれば、今まで通り紙に印刷すれば何も対応する必要がないということになります。このように宥恕規定により制度がかなり緩和されておりますので、各社の状況に応じて義務化された電子取引の対応を進めましょう。


Michihito Suzuki

税理士法人アップパートナーズ
福岡オフィス

既に義務化!電子帳簿保存法の注意点と具体例