2025.03.18更新
令和7年度税制改正による「確定拠出年金制度」および「退職所得控除」の見直し
2025.05.01更新
こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。
弊社の繁忙期である個人の確定申告が3月に終わりました。毎年感じることですが、ふるさと納税の利用者が年々増えているのを実感します。
近年、多くの人が利用している「ふるさと納税」。地域の特産品やサービスなどを受けられる魅力的な制度ですが、実は注意すべき点が一つあります。それは、返礼品が「一時所得」として課税対象になる場合がある、という点です。
ふるさと納税の返礼品は、寄付者にとって「経済的な利益」となるため、所得税法上「一時所得」となります。一時所得には年間50万円の特別控除額があり、これを超える額が課税対象となります。
つまり、返礼品の合計額が年間50万円を超えると、一時所得として課税される可能性があるのです。
では返礼品の金額はどうやって判定するのでしょうか。寄付した額ではなく、実際に受け取った返礼品の「時価」で判断します。「時価なんて調べられるの?」と思うかもしれませんが、ふるさと納税の返礼品は、寄付額の3割以下に設定されており、これを基準に概算計算をします。
例えば、100万円寄付した場合、返礼品の金額は約30万円と計算できます。同様に一時所得で認められている50万控除を超過し課税される寄付額は約167万円と計算できます。寄付額167万×30%=501,000円となるからです。ちなみに166万なら498,000円が3割相当になります。
ふるさと納税以外にも、一時所得に該当するものがあります。例えば、生命保険の満期金や懸賞の当選金などです。懸賞の当選金はそうあるものではありませんが、経営に携わっている方には生命保険の満期金や解約返戻金は結構身近な所得ではないでしょうか。
一時所得はふるさと納税の返礼品、保険の満期金などを別々に金額判定するのではなく、その年の「一時所得の合計額」が年間50万円を超えるかどうかで判定します。保険の満期があるのを忘れてふるさと納税だけで一時所得の判定をしていると、一時所得の課税が発生し、確定申告で税金がかかる、という可能性もあります。
ふるさと納税を利用する際は、以下の点に注意しましょう。
・返礼品が一時所得として課税対象になる場合があることを理解する
・返礼品の合計額が年間50万円を超えないようにする
・ふるさと納税以外の一時所得がある場合は、合計額で判断する
Akihisa Makino
税理士法人アップパートナーズ
佐賀伊万里オフィス