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幸せは不幸な顔をしてやってくる

2023.04.03更新

毎年 4 月に京都の桜を見に行くのですが、第 1 週に行くか、第 2 週に行くかでいつも迷います。今年の冬は寒かったので、遅咲きだろうと予測し第 2 週に行くことにしたのですが、これが大ハズレ。もはや葉桜ですらなく、葉っぱを見ることになりそうです。今更予定変更もできず、現地で違う楽しみを探さなくては!と思っている次第です。

幸せは不幸な顔をしてやって来る

私は占いを信じない割には好きですし、霊感はありませんが運命的なものはかなり信じています。つい最近、田坂広志さんの本を薦められ、読んでみて、「なるほどな」と思ったのでご紹介します。
私は田坂氏の言うように、人生はある程度のグランドデザインは決まっているように思っています。例えば北海道旅行に行くのに直行便で行くか?東京経由で行くか?行き先が北海道の中でも札幌なのか?ニセコなのか?そのくらいの選択肢はあるように思いますが、大きな部分は生まれてくる前にある程度決まっているように思うのです。

そう思うようになったのは、大学受験と税理士になるために大学院の受験、そして父親の早逝がキッカケです。
大学は早稲田の政経を志望していたのですが、結局滑り止めの関西学院にしか合格出来ませんでした。関学の受験では古文は模試で出た蜻蛉日記、地理は前日に見た東南アジアの統計がそのまま出題されるという強運ぶりでした。

逆に早稲田では、ものすごく苦手な森鴎外の和漢混合文が出て、見た瞬間に終わったと思いました。しかし、もし早稲田に合格していたら、マスコミ志望だった私は税理士にはなっていなかったはずです。

税理士になるための大学院は、社会学部から経済学部へ行かなければならず、対策の取りようがなくて苦労しました。しかし、たまたま受けた大学院の教授が関学出身で、「後輩だから」と引き上げてくれました。また、この時もたまたま前日に読んだ新聞記事がそのまま出題されるという強運ぶりでした。

その後も、「たまたま」に幾度も助けられ、税理士資格を取りました。しかし就職直前にふと思ったことが、「27 歳にもなって、今更大企業には就職できない。今 1 番ヤバいのは父親が死んで、就職予定の事務所がなくなる事かもしれない」

不思議なもので、こういう予感めいたものはやたら当たるのです。父は私が就職して 16 日後に心筋梗塞で突如他界しました。

私が 3 歳の時に両親は離婚しており、私は北九州で育ちました。以来、父との交流は全くありませんでした。
・近くに友人はいない
・土地勘はない
・知り合いすらいない
・もちろん経営などしたことがない
・借金だけは2億円ある

今考えると、まぁまぁ崖っぷちだったと思います。その時は、「自分ほど運の悪い奴はいないかもしれない。でも今なら逃げる事もできる。」と思いました。
しかし、何故か逃げてはいけない気がして会社に残りました。そして嫌でも頑張らなければならない状況に初めて追い込まれました。結果、お客様や周囲のご支援があり、短い期間で普通の税理士の数倍の経験を積ませてもらいました。そして、おかげさまで倒産する事なく、今も仕事をさせてもらっています。

桜が咲く時期になると、あの時最大の不幸と思えたことが今に繋がっているのだと強く思います。そして「たまたま」の存在と支援してくださった方々に改めて感謝したいと思います。
以上は私の経験ですが、成功している社長や院長先生に上手くいく秘訣について聞くと、皆さん「自分の実力ではなく、たまたま〇〇という出来事があって…」とおっしゃいます。そして、何かしらの苦難を乗り越えた経験をお持ちで、ずっと順風満帆に来た方はお会いした事がありません。

そういう意味では、「たまたま」は何かに仕組まれた必然であって、「不幸」は「未来の幸せ」に繋がっているのだと自分なりに解釈しています。
さて、桜はおそらく散っていますが、きっと何か違う楽しみがあるはずなので、今年も京都に行ってこようと思います。皆様も、コロナによる制限がなくなった久しぶりの春を楽しまれて下さい。