景気対応緊急保証による融資、その前に・・・
2010/02/10
職務上、公的支援制度をタイムリーに紹介していきたいと考えておりますし、前回のブログでも「景気対応緊急保証」(2月15日開始)という、主に長期運転資金を利用するための制度を紹介させていただきました。
しかしながら今回は、「長期運転資金の融資を受けるにあたって、一歩立ち止まって検討してみよう」という内容を書かせていただきます。
※短期資金(短期融資)は返済期間が1年以内、長期資金(長期融資)は返済期間が1年を超える融資です。
下記に、「長期運転資金はどこかで断ち切らなければならない」という資金調達コンサルタントの主張を掲載いたします。 (ポイントの箇条書き)・来月の支払資金の不足を理由に運転資金を借りたのにもかかわらず、それを7年かけて返済していくというのは「異常な資金繰り」である。
・7年間の返済期間中にまた運転資金を調達しなければならないときがくるから、雪だるま式に借金は増えて、借金で借金を返す資金繰りとなる。
・貸すだけ貸して「もうこれ以上は無理」とハシゴを外す(融資を打ち切る)銀行もいる。ハシゴを外されても借金だけは残る。
・長期運転資金は一度使い始めるとやめられない麻薬のようなもの・・・どこかで断ち切らなければならない。
○以上4点の引用文献:石橋知也著『銀行との交渉ポイントと提出書類のつくり方』(p.36~37)〔日本実業出版社〕
「早く返済したほうがいいのはわかっている。でも、今の状況ではそうせざるを得ないから運転資金であっても7年(長期)返済にしているのだ」
そういう反論は当然あると思います。
「良い・悪いではなく、長期の返済を選択せざるを得ない」という財務状況・・・緊急手術が必要な方に「適度な運動とバランスの良い食生活」を問いても仕方がないでしょう。
それに、ひと口に「運転資金」といっても(売上増に伴って必要となる「増加運転資金」など)いろいろあるし、財務の健全性を考えるなら長期借入金がいいのではないか・・・ということも考えなければならないでしょう。
そうです。まだ何とか会社に体力があるならば、一歩立ち止まって、考えて、それから例えば「長期返済がやっぱりいい」という結論を出してほしいのです。
会社の内部状況、外部の環境、その時々でベストの選択は違うはずです。
当然のように長期返済を選択する場合でも、○年返済で○千万円借りるのがベストなのか、具体的な数値を導き出す検討は必要です。
それは当たり前のことのようですが、失礼ながら検討してきたとは思えない、座布団を何枚も積み重ねたような本数の借入金を目にすることがあります。グラグラして、いつ崩れてもおかしくない。社長持ち前のバランス感覚で何とか座布団に座っている。一枚か二枚抜きたくても、もう抜けない・・・。
"病状"の悪化を防ぐ、あるいは"健康"を維持するために、会社の予防検診・健康診断である経営分析や財務分析を会計事務所から受けていただき、一歩立ち止まって考える時間をより有効なものにしていただきたいと思います。
そして実効性のある経営計画を策定し、計画の実行状況の確認と、行動への反省と微調整や軌道修正を図るための経営会議の実践をしていただければ、それこそ"ベスト"です。
前回のブログでご紹介した「景気対応緊急保証」は、信用保証協会の100%保証で借りやすい、利率が低い、10年以内の返済で猶予期間もある、たくさんの会社が利用する・・・非常に悪い言い方ですが"飛びつきやすい"条件が揃っています。
その制度を紹介しておいて今回のような内容はどうかとも思いましたが、逆に、ご紹介したからこそ、薬と同じで"用法・用量"そして"使用上のご注意"を申し上げるべきと判断した次第です。
一歩立ち止まって、弊社のような会計事務所を相談相手としていただきながら、2月15日(月)から開始される「景気対応緊急保証」を上手に活用していただくことを望みます。
長崎オフィス 経営サポートグループ 荒木貴光


