中小企業再生支援協議会との良い連携を望んで
2010/01/26
各都道府県に1ヶ所ずつ、中小企業再生支援協議会という、文字通り中小企業の再生支援を円滑に行うための機関が(多くは商工会議所内に)設置されています。(以下、単に「協議会」と言います。)
このテーマ(再生支援)は、弊社内の他の部署がものすごくがんばっているので触れるのは控えていましたが、協議会について調べる機会を最近たまたま得たので、もったいないので書いてみようと思いました。
協議会への相談件数(全国)は、2003年2月の設置から2009年9月までの約6年半で1万8845件にのぼります。単純計算で1日に8件弱ですから、再生支援を求める中小企業者がいかに多いかがわかります。
協議会の関与の下に再生計画を策定・実施している中小企業者には、日本政策金融公庫からの支援資金(融資)や既存借入金の劣後ローンへの切替(15年一括償還・適用金利0.4%といった条件への振替支援)など、再生を後押しするような支援施策が準備されています。
しかしながら、大きな問題点がひとつあります。
協議会の対応は、第一次対応と呼ばれる「窓口相談」と、第二次対応の「再生計画策定支援」に大きく分かれます。先ほど協議会への相談件数は1万8000件を超えているとお伝えしましたが、第二次対応へ進んだ企業は、検討中のものを含めても17%(3235件)に過ぎません。
様々な再生支援施策は、第二次対応「再生計画策定支援」のステップへ進んだ企業を対象としていますから、中小企業者側のアピール、すなわち「再生可能であること」「公的支援を受けて再生させるに値する企業であること」を協議会に理解してもらうことが大事になるのではないかと思います。
中小企業者(相談者)の状況を理解してあげよう、できる限り支援してあげよう、という協議会側の姿勢ももちろん重要なのですが、残念ながら県ごとに対応のレベルが違うのは事実のようです。そういった批判もあり、2007年に「全国本部」が設置され、案件処理の手続きや基準の統一化が図られています。
ただし「窓口相談」の第一次対応までだから悪い、と申し上げているわけではありません。窓口相談で解決策を示せるケースはもちろんありますから。(あるどころか、統計によれば半数以上が相談段階で課題解決を提示した・・・となっています。本当かな?)
少し脇道に逸れますが、協議会に相談に来られるほとんどの方は「再生のためにもっと踏み込んだ支援をしてほしい」という気持ちを持っているのではないでしょうか。「融資斡旋の機関ではない」ことは承知の上として、「幅広く誠実に対応すること」(協議会『実施基本要領』)を、実践されているとは思いますけれども、協議会の方々には再度想起していただきたいと思います。
弊社の立場(顧問の会計事務所)としては、窓口相談だけで済むような問題なら、クライアントへ協議会の門を叩くことを強く進める必要性は少ないと思います。(そうならないように毎月訪問・経営相談を承っている、という考え方をすれば。)
そのため、第二次対応「再生計画策定支援」まで進みやすいように、クライアントとともに、事前に再生計画(案)を協議会に提示して事業再生への道のりに説得力を持たせるのが、協議会と連携する上での弊社の役割かもしれない・・・とこのたび感じました。
少なくとも「どうすればいいでしょうか?」というような、主体性がない、助けを求めるだけの姿勢では、経営者としての再生への強い意欲が疑われるため、県によっては踏み込んだ支援をしてもらえないかもしれません。多少オーバーな表現をすれば「門前払い」です。
したがって、「自分は口下手だから」で終わらせずに、「再生への強い意欲」がどうすれば相手に伝わるかを、顧問の会計事務所と一緒に考えることは決して無駄ではありません。
協議会と上手な連携をとりつつ、苦しんでいる貴社が再生に向かって歩めるようなサービスの提供に、経営サポートグループとしても取り組んで参ります。
○参考文献
事業再編実務研究会編『最新 事業再編の理論・実務と論点』(民事法研究会)
中小企業庁経営支援課『中小企業再生支援協議会の活動状況について ~平成21年度第2四半期~』
長崎オフィス 経営サポートグループ 荒木貴光
