【経営サポート】

中小企業金融円滑化法の意義とは? - 後編 -

2009/12/15

 「中小企業金融円滑化法」の後編です。

 以前は、金融機関が返済条件を緩めた場合、その融資先の債務者区分(格付け,ランク)は「要管理先」にダウンし、不良債権とみなされ、新規融資ができにくくなる・・・という状況がありました。
 「以前」というのは、一応の区切りとして、2008年11月以前としておきます。なぜか。返済猶予などの貸出条件変更(緩和)に対する措置が、その時期に金融庁から発令されたからです。

 その措置とは、簡単に言いますと、金融機関が柔軟に条件緩和に応じることができるように、返済猶予などを実施しても、その融資先の格付けを「要管理先」に下げずに、「正常先」や「要注意先」にするように留意しなさい・・・というものです。(経営改善計画の提出などの条件はあります。)

 今回の金融円滑化法でも、当然、同法を活用して返済条件を緩めたからといって、すぐに「要管理先」にランクダウンしない、すなわち新規融資をできにくくしないようにルール(注)付けがなされています。
(注)『金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕』に明記されています。

 そういうわけで、私は、この金融円滑化法に対して特に目新しさは感じていないのですね。

 しかしながら、これまでの、金融機関向けの指針やマニュアルを集約して法制化した意義はあります。
 金融や経営指導の専門家がチェックしていたに過ぎない(?)『金融検査マニュアル』やら金融庁発令の措置やらは、現実問題として、すべての金融機関がきちんと実行していたか、というのは疑問符がつくところです。
 この法律が注目されたことで、「条件変更の相談には応じる義務があるのでしょう」「条件変更したからという理由だけで新規融資の申込はことわれないはずですよ」・・・とテレビニュースからの情報だけでもそのような言葉を出せるような、返済条件緩和に関する知識が一般化したような気はします。その点が法制化の、そしてこの法律の意義といえば意義でしょうか。

 ところで、返済条件を緩和してもらうにしても、経営改善計画は必要になります。「中小零細企業は必ずしも緻密な経営改善計画は作成できない」ことを、金融機関は配慮しなければならないルールはありますが、原則として、経営改善計画は提示しなければなりません。
 法律の施行(2009年12月4日)以降、地方銀行にもこの法律を活用するための専用窓口が徐々にできています。顧問の会計事務所などとよく相談して交渉に臨んでいただきたいと思います。

長崎オフィス 経営サポートグループ 荒木貴光
  


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