中小企業金融円滑化法の意義とは? - 前編 -
2009/12/15
中小企業金融円滑化法については、今年(2009年)9月の大臣就任当初に亀井金融相がその構想を表明して法律が成立(注)するまで、いろいろな情報と、期待と不安と批判の声がさまざまに飛び交った印象があります。
(注)2009年11月30日成立。同年12月4日施行。
今もって、中小企業にとっては結局どういう効果があるのか漠然としている、という経営者もいらっしゃると思います。
返済猶予や金利の減免といった貸出条件変更に応じる"努力義務"が金融機関にはある。中小企業金融円滑化法は、このことを法制化したもの・・・簡潔にまとめるとこうなります。
金融機関の"努力義務"とはどういうことか。銀行は3ヶ月ごと、その他の金融機関は6ヶ月ごとに、返済猶予などの条件変更に応じた件数や金額を金融庁に開示・報告しなければなりません。条件変更を断った場合も、その理由を具体的にかつていねいに中小企業者に説明したことを報告しなければなりません。
虚偽の開示・報告には1年以下の懲役か300万円以下の罰金、という罰則規定もあります。こうなると、金融機関としては、条件変更の相談に対して「ダメです」のひと言で門前払いをするような行為はできにくくなります。
また、この法律は2011(平成23)年3月までの時限立法ですが、同年3月31日までに条件変更等の申込が完了している場合は、その後も法律の効力が続くとされています。
この法律の救済対象は、会社(法人)だけでなく、個人事業主や医療法人、協同組合も含みます(この点はマスコミによる解説が少ないように感じます)。そして住宅ローンを抱える個人ですね。
すでに述べた"努力義務"があるとはいえ、融資契約の条件変更に応じるかどうかは金融機関の判断に委ねられます。"努力"を求めているのであって"強制"ではないからです。
そういうわけで、希望する返済猶予が受けられるとは限らないし、また「返済猶予を受けたら新規の融資を受けにくくなるのではないか」という不安が生じるのも無理のないところでしょう。
後編では、その点に触れてみたいと思います。
(後編に続く)
長崎オフィス 経営サポートグループ 荒木貴光
