民主党の税制抜本改革「遺産課税方式」とは?
2009/10/15
民主党は「税制抜本改革アクションプログラム」のなかで、「相続税については、『富の一部を社会に還元する』考え方に立つ『遺産課税方式』への転換を検討すべきである」と主張しています。
・・・が、「その前に今は○○方式なのか?」という疑問が生じるかもしれません。現行は「法定相続分課税方式」です。
「法定相続分課税方式」とは、簡単に申しますと、まず遺産の総額を計算してそれから相続税の総額を計算します。その後、その相続税の総額が、各人が相続した遺産の割合で振り分けられ、遺産を相続した人(以下「相続人」といいます。)の税額が決まる、という方式です。
一方「遺産課税方式」は、遺産の総額に対して課税します。
「!?」・・・少し言い方を変えてみましょう。
現行の「法定相続分課税方式」は、遺産の総額は同じでも法定相続人の人数によって相続税の負担が違ってきます。
また遺産分割協議をしてから相続税申告・・・が原則なので、逆に言えば、遺産の振り分けが決まらないと課税が遅れてしまう、ということにもなります。(申告期限があるため、遺産分割協議がまとまならなければ法定相続分で申告します。)
対して「遺産課税方式」は、遺産の総額に対して課税するので相続人の人数の影響を受けません。
さらに、遺産そのものに課税するので、「その相続人がいつ・どれだけ相続したか」も関係ありません。遺産の振り分けがなかなか決まらなくても、遺産全体に対して課税するので、速やかに税務を執行できます(誰が?国が)。
民主党は、「本人の努力とは関係のない大きな格差が固定化しない社会の構築に配慮すべき」(冒頭のアクションプログラム)という考えのもと「その税収を社会保障の財源とすることを検討するべき」(前掲)としています。
格差是正のために「結果の平等」ではなく「機会の平等」を重視するというのが民主党の姿勢です。「本人の努力とは関係のない」遺産による格差拡大の影響を少なくする意図があるのでしょう。相続税と併せて、生前贈与を含めた贈与税のしくみの変更に対しても今後の動きに注意が必要です。
長崎オフィス 経営サポートグループ 荒木貴光


